作戦1:いちばん書きやすいテーマで書いてみよう
それでは、生徒とどのように向き合えばいいのか。
私の経験上、もっとも取り組みやすい指導方法を紹介したいと思います。
まずは、ハイレベル入試の小論文ではなく、ごく普通のレベルから始めましょう。

まず最初に、何か書いてきてもらいます。
過去問でも何でも構いません。
私の場合は、志望動機を書いてきてもらうようにしています。
志望動機がおそらくいちばん書きやすいのではないかと。
環境問題などについて書かせたっていいのですが、知識がなかったらどうせ書けませんからね。
最初はまだ特定のテーマについて書かせるような段階ではないので、とにかく字数を埋められるようなテーマであればいいと思います。
志望動機ならさすがに書くことはあるでしょう。特別な知識がなくても書けるはずです。
たまに、これすら書けないような子もいますが…。

最初は「書き方」なんか気にしないで自由に書いてきてもらいます。
生徒は「書き方」を教えてもらいたがりますけどね。
幼稚な内容でもOK。
誤字脱字なんか気にしない。
一貫性なんかなくて当たり前。
とにかく、たくさん書いてきて!
もし文章にまとめられなかったら、断片的なメモでもいいから!
前後のつながりや話の脈絡がなくてもいいんです。
たくさん書いてきてもらえれば。
だって、目的は、頭の中を見ることだから。
その生徒が普段考えていること、頭の中を知りたいんです。こっちは。
文章の良し悪しなんて、今は関係ない。
まずはデータが欲しい。
こうした情報をできるだけたくさん集めていきましょう。
これは小論文を書くのに必要な土台を作り上げていく作業です。
これが、何度も言っている「自己表現」には欠かせないんですね。
この土台がなければ、いい文章は書けません。
いい文章とは、その子の「顔」が見える文章です。
そして、そいういう「いい文章」を目指していったら、その先には合格というオマケも期待できるかもしれません。
初級編③へ

コメント
コメント一覧 (2件)
[…] 小論文に何を書く? 生徒と一緒に考えるわくわく小論文作戦会議スター… […]
[…] 生徒の書いてきた小論文。アドバイスに困ることって多いですよね。生徒の文章を一緒にふり返るとき、どんな点に注目するのがよいか。そんなことをお話ししたいと思います。前回の投稿「作戦1」と合わせて読んでいただけたら幸いです。 […]