②小論文作戦会議スタート!

E-roomへようこそ。このブログでは、学校現場における小論文指導の現実について、学校の先生を対象にゆるーく語っていきます。バックナンバーと合わせてお楽しみください。

小論文指導をしていてほんとに嫌になっちゃうことってありませんか。自分でお願いに来たくせになんかやる気も感じられないし、こっちのアドバイスをちゃんと聞いてたのかな? と疑いたくなるような文章を書いてくるし。そんな生徒たちにどんなアプローチが有効なのか。ゆるーく考えていきたいと思います。



目次

先生の一方的な指示もときには有効?

以前の投稿の中で、添削に困ってしまう文章の例をあげました。→以前の投稿

「志望動機」というテーマなのに、まったく志望動機が書かれていないというタイプの文章です。
こういう文章を見ると、どう直そうかと悩んでしまいます。
段落ごとに手直しが必要だし、段落ごとのつながりにも問題があるし、そもそもこのままだと志望理由が伝わらない。

もう、全部書き直し!って言いたくなります。
その方が早そうだし。

まず最初に志望理由を簡単に書いて。
その次にそう思うようになったきっかけを書こうか。そう、具体例も入れてね。
次の段落には将来のビジョンを書こう。つまり、どんな看護師になりたいか、どんな働きをしたいかってこと。
そのあとに、自己PRも入れられたら入れようか。自分の長所を述べて、それが看護の仕事に役立つと思うといった感じでつなげて。
最後に、志望校に入りたい思いを書いてまとめよう。
こんな感じで書き直してみてね。


なんか一方的ですけども、こういう指導も場合によってはありですよね。
忙しい時なんかはついこういう対応をしてしまいます。

生徒によってはこうしてもらった方が手っ取り早くていいと思っている子もいますしね。
あんまり丁寧だとウザがられちゃう。

小論文を入試科目にしているけどそんなに重要度は高くないといった学校を受験するケースならばこういう対応になりがちです。地元の専門学校とか、生徒募集に苦しんでいる私立大学とか。
小論文は入試結果に大きく関わらないだろうということを生徒もなんとなく感じてますしね。小論文の実質的なウエイトがあまり高くないだろうというケースです。

で、実際そうなんですよね。
だから、ほとんどの場合試験には合格しますし、万が一不合格でも小論文のせいだとは思わない。

そういう状況ならば、先生も小論指導を簡単に済ませたいと思う。
いたって普通のことです。

先生ってホント忙しいからね。しょうがない。

生徒のニーズを見きわめて

でも、先生が一方的に指示するという対応は、全面的に許されるわけではない。

そういう自覚は必要だと思います。


なんか言い訳のようにもきこえますが。
でも、これって結構重要だと思います。

こういう自覚がないとどうなるか。
どんなケースでも同じような対応をしてしまうことになる。

たとえば、小論文という科目を通してその生徒の興味関心や人物像、将来のビジョンなどを知り、自分の大学の入学生としてふさわしいかどうかを判定しようとしている大学の入試を受験するケース。

こうしたケースならば、生徒としっかりと向き合った指導が不可欠です。

先生の指示を一方的に押し付けるような対応では絶対にうまくいきません!

うまくいかないというのは、入試結果もそうですが、それだけでなく生徒の満足度も得られなくなる。
後者の方が重要だと私は感じています。

このことはすでに何回か書いているので繰り返しませんが、私の経験上、生徒としっかり向き合う指導ができた場合は、入試結果にかかわらず、生徒は自分の取り組みに少なからず満足していることがほとんどでした。

入試ですから、不合格ということも当然あり得る。かなりの確率であり得る。
それを生徒自身もわかっている。だから、しっかりと対策をしたい。


「合格するためにできる限りの対取り組みをしてきた」という自覚を持てたならば、かりに不合格という結果になったとしても、納得はできる。少なくとも後悔は少ない。

でも、生徒のそういうニーズを、先生がきちんと受け止めていないと、失敗する。

大学入試という生徒にとってはこれまでの人生でいちばん重要なチャレンジに、大きな後悔をもたらしてしまうことになる。もちろん入試結果も期待できない。

これは、教育者として失敗だと思います。
私自身、こうした失敗をたくさん繰り返してきました。

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この記事を書いた人

1968年生まれ
東京学芸大学大学院修了
函館市私立学校に30年勤務
小論文を中心に指導

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