混乱した文

前回はくっつき文について説明しました。
練習問題はどうでしたか?



切り分けるのは簡単でした。
接続語を考えるのはちょっと難しかった。



今回は「ごちゃごちゃ文」を切り分けていきます。



ごちゃごちゃ文?



これも私が考えた言い方です。
文が長くて意味が分かりにくい文をすべて「ごちゃごちゃ文」と呼ぶことにします。
複文、重文は基本的にごちゃごちゃしますね。
だから「くっつき文」も「ごちゃごちゃ文」の一種と言えます。
修飾語もごちゃごちゃの原因です。
修飾語が長すぎたり、多すぎたりすると分かりにくくなります。
「赤いマフラー」くらいなら問題ありませんが
「赤くくて可愛いくてみんなが持っている最新のマフラー」のようになるとかなりごちゃごちゃしてきます。



また、「文のねじれ」もごちゃごちゃによって起こります。



文のねじれ?



「文のねじれ」というのは、主語と述語の関係がおかしくなることです。
「私の目標は、今年こそ50mを泳ぎたい。」
この文を読んでなんか変だなと思うのは、「目標は」という主語に対応する述語が書かれてないからです。
「私の目標は、今年こそ50mを泳ぎ切ることです。」と書けば問題ありません。
このように、主語に対する述語がなかったり、主語と述語の関係がずれていたりすることを「文のねじれ」と言います。
文が長くなると「文のねじれ」が起こりやすくなります。
そうするとごちゃごちゃした感じになります。



Step2の志望理由書もそんな感じだったよね。



その通りです。
「なぜ貴大学を志望したかというと」と書き始めたのなら、その結びは「〜からです。」のような形を取るのが自然です。
それなのに「〜を志望することにしました。」で結んでいる。
これもねじれ現象と言っていいでしょう。
文が長くなったことで生じたミスです。
分かりにくい文



ごちゃごちゃと言えば、Step4の娘と母の会話だよね。
私もすぐにああいう感じになっちゃう。
どうすればいいですか?



名詞句や名詞節が長くなってしまうパターンですね。これも本当によくあります。
「今日は友達と昨日オープンしたばかりのカフェに 出かける」
赤字がこの文の主要語になります。
主要語というのは〈主語と述語〉それに〈目的語〉を加えたものと考えてください。
「(私は)友達と カフェに 出かける」
この主要文に
「どんな友達なのか」
「どんなカフェなのか」
「どのように出かけるのか」
といった修飾語を加えることがふつうは多い。
その修飾語の数が多くなったり、長くなったりすると、文がごちゃごちゃしてきます。



全部をいっぺんに言おうとするからダメなんですよね。



はい、その通りです。



日本語の場合、修飾する言葉はその語の前に置かれます。
「近所のカフェ」
「近所にオープンした素敵なカフェ」
「昨日近所にオープンしたばかりの素敵なカフェ」
このように修飾語は「カフェ」に前置されます。
だから、修飾内容が長くなればなるほど「カフェ」という主要語はどんどん遠くに行って分かりにくくなってしまいます。



分かってはいるんだけど、
でも書いちゃうのよねー



何度も言いますが、それでいいのです。
まずは、書いてみる。
そうしたら「くっつき文」や「ごちゃごちゃ文」になっているところが見つかります。
それを分かりやすい文に切り分けていけばいい。
これを繰り返していきましょう。


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