Step5 高校生の文章を切り分ける

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わかりにくい部分をスッキリさせる

前回は、日常の会話文を切り分けてみました。

単文に分解してみると、意外に複雑な構造になっていることがわかったと思います。

6つの文に分かれていましたね。
私は4つにしか分けられませんでした‥

最初のフレーズだけ見ても、
「今日友達と昨日オープンしたばかりのカフェに出かける」は次の二つに分けられます。

1「今日友達とカフェに出かける」
2「(カフェは)昨日オープンした」

そうか‥

まあ、この文ならばここまで厳密に分けなくてもいいとは思います。

でも、カフェの説明がもう少し長くなって
「半年前から話題になっていて昨日オープンしたばかりのカフェ」とかいう感じになったら困りものです。

「今日友達とカフェに出かける」というメインの内容が分かりにくくなりますからね。

だから、まずはメインの内容を切りとる。
そして文を変えてカフェの説明をする。

「今日友達とカフェに出かける。昨日オープンしたばかりのあのカフェだよ。」

こうすれば、主文はちゃんと伝えてあるので、その後のカフェの説明がいくら長くなっても大丈夫です。

なるほどねぇ

会話中は、そのときに思い浮かんだことを全部言ってしまおうとするものです。

だから、後から考えれば、あれは別に言わなくてもよかったな、と思うようなことがけっこうあります。

それで話が脱線するなんてこともよくあるよね。

アメリカのカフェといえばさぁ‥なんてね。

高校生が書く文は長い

実は、高校生が書く文章ってこれに似たところがあります。

私たちが書いてる文章は、お母さんとの会話みたい?

言葉を発するスタンスがどちらもほぼ同じなんです。

1、その場で思いついたことを、そのまま言葉にしている。

2、その前提にある状況が似ている。
⑴何を言いたいのかまだ決まっていない
⑵どうしても言いたいということが特にない

たしかに‥
否定はできない‥

「どうしても言いたいということが特にない」状況のときに発せられる言葉は、ダラダラと長くなりがちです。

出口を探すように話題はあちこちに飛びます。
それをつないでいくので、やたらと長い文ができあがります。

どうです? 身に覚えはありませんか?

「修学旅行の思い出」っていう題で作文書かされた時なんかまさしくそうだったかも。

書きたいことなんか何もないから字数を埋めるのにホント苦労したなー

お母さんとは用件がなくたって話をするものです。
それが親子の自然なコミュニケーションですからね。

用件がないからこそ、ダラダラと長話になる。

「言いたいことのないダラダラ文章」か

まあ、そこまでいうつもりはありませんが、
その場で思いついたことを書いただけではいい文章にはならないということはお分かりいただけたと思います。

それでもダラダラ文章を書いちゃったら?

だからこそ、切り分け練習をしているのです。

私たちはどうしてもダラダラ文章を書いちゃいますからね。
それは仕方がない。
言われてすぐ上手に書ける人なんていません。

まずは書いて、
それから切り分ける

切り分けてみると、大事な部分とそうじゃない部分が見えてきます。

娘とお母さんの会話で言うと、
「一緒に帽子を探して!」が大事なこと。
カフェの説明などはあまり大事じゃない。

過ぎ去った会話は言い直すことができませんが、文章は書き直せます。

文を切り分けて、大事なことがわかったら、それがちゃんと伝わるように書き直す。
これが大事です。

Step5のまとめ

①分かりにくい部分をスッキリさせよう

②高校生の文章と日常会話の共通点
⑴その場で思いついたことを
⑵言いたいことが定まらないまま
⑶長々と話す

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この記事を書いた人

1968年生まれ
東京学芸大学大学院修了
函館市私立学校に30年勤務
小論文を中心に指導

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