話し言葉は長くなる

前回は「文の組み立て」についてお話ししました。
私たちが普段使っている言葉は、「単文」のようなシンプルな表現ばかりではありません。
そこで今回は会話文を例にして考えていきたいと思います。
今日は友達と昨日オープンしたばかりのカフェに出かけるから、この前買ってきた赤い帽子をかぶっていきたいんだけど、どこにも見当たらないから一緒に探してくれない?



これは、娘がお母さんに向かって話しているセリフです。
けっこう長い文でしょう?
今回はこの文を切り分けたいと思います。
この文は難しく感じますか?



普段しゃべっているのもこんな感じです。



でも文法的には複雑な構造です。
英訳しろと言われたらかなり難しい。



難しいこと言ってる感覚はあまりないけどね。



ちなみに、これを短い文で言い換えるとどうなりますか?



ただお母さんとしゃべっているだけだから、短くとか言われても‥
会話は思いついたことを話すだけ



用件がはっきりしているなら短く話せます。
「早くご飯作って」とかね。
そうじゃないときは、ダラダラと長話になりがちです。



思いついたことをただしゃべっているだけだから



思いついたことを並立的につなげていくのは、対面コミュニケーションの特徴の一つです。
私たちの日常会話というのは焦点が定まらないままダラダラと長くなっていくものです。



ところで、先ほどの娘とお母さんの会話ですが‥



まだ何かありますか?



帽子を無くして困ってたでしょう。
「一緒に帽子探して!」
娘さんが言いたかったのはこれですよね。



あ、きっとそうだ!



それなのに、
友達との予定があるだとか、
どんなカフェに行くのだとか‥
そういう説明は後でいいはずなのにね。



言いたいことがあっても、その場ではなかなか出てこない。
日常の会話ではよくある光景ですよね。
そんな日常会話も切り分けてみると、何が大事な部分なのかが見えてきます。


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