練習問題5

練習問題

1〜5のくっつき文を、例にならって切り分け、前後の関係性がわかるように適切な語を補って文章を完成させなさい。

(例)雨が降って、地が固まる。
→雨が降った。その結果、地が固まった。


1、昨日から雨が降っていて、明日出かけられるかどうか心配だ。
解答例と解説

2、太郎は犯人を知っていて、知らないふりをした。
解答例と解説

3、その友人とは毎日のように遊んでいて、彼の悩みに気づかなかった。
解答例と解説

4、ホテルの部屋はとても狭く、日当たりが悪い。
解答例と解説

5、警察には一刻も早く犯人を捕まえてほしいが、駅前の違法駐車をなんとかするのが先だ。
解答例と解説

解答例と解説

《解答例


《解答例》
昨日から雨が降っている。
だから明日出かけられるかどうか心配だ。
問題文を確認する

《解説》
1〜3はすべて「〜していて、」を使った文になっています。
この「〜していて、」は複数の意味を持つ言い回しです。
よって「〜していて、」の後にどういう内容が続くのか予測が難しく、筆者の意図が読み手にうまく伝わらない可能性があります。
こういうくっつき文は書かないようにしましょう。
はっきりと文を切り分け、接続詞などを添えると、前後の関係性がはっきりとわかる文章になります。

1の「雨が降っていて」は、「雨が降っているので、心配だ」という順接の関係を表しています。
このように理由や根拠を表す場合は、「だから」「よって」「そのため」などの語を補うと関係性がはっきりします。


《解答例》
太郎は犯人を知っている。
それなのに知らないふりをした。
問題文を確認する

《解説》
「太郎は犯人を知っていて」は、「知っているのに、知らないふりをした」という逆接の関係を表しています。この場合は、「それなのに」「それにもかかわらず」「しかし」などの語を補うのが良さそうです。


解答例》
その友人とは毎日のように遊んでいた。それなのに彼の悩みに気づかなかった。
問題文を確認する

《解説》
「毎日のように遊んでいて」は、2通りの解釈が可能です。
①「毎日遊んでいたにもかかわらず、気づかなかった」
②「毎日遊んでいたからこそ、気づかなかった」

解答例では①の解釈を採用しています。

②の解釈の場合の解答例は次の通り。
「その友人とは毎日のように遊んでいた。だからこそかえって、彼の悩みに気づかなかった。」
 
いずれにしても、このように複数の解釈が成り立つような表現は避けるべきです。


《解答例》
ホテルの部屋はとても狭い。
そのうえ日当たりが悪い。
問題文を確認する

《解説》
部屋が「とても狭いこと」と「日当たりが悪いこと」とは、互いに影響し合う関係ではありません。この2つは単なる並立の関係です。
ですから、「また」「さらに」「そのうえ」などの語を補うのがよいでしょう。

それなのに「とても狭く、」のように中止法で書いてしまうと、「部屋が狭いことによって、日当たりが悪くなる」という因果関係があるかのように見えることがあります。このように読み手を迷わすような表現は避けましょう。


《解答例》
警察には一刻も早く犯人を捕まえてほしい。しかしそれよりも、駅前の違法駐車をなんとかするのが先だ。
問題文を確認する

《解説》
筆者は「犯人を捕まえてほしい」と思っているし、「駐車違反も取り締まってほしい」とも思っています。
その上で「駐車違反の取り締まり」の方をより強く希望しているという文脈です。
ですから、この「が」は単純な逆接ではありません。 
このように二つの事柄を並べて、後件の方がより重要であることを表すという用法が「が」にはあります。

しかし、接続助詞「が」が使われていると、読み手は逆接用法を想定するのがふつうです。そういう誤解をわざわざ招く必要はないでしょう。ここは「が」のような曖昧な言葉でくっつけてはいけません。これも読み手を迷わせる表現です。

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この記事を書いた人

1968年生まれ
東京学芸大学大学院修了
函館市私立学校に30年勤務
小論文を中心に指導

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