3 単文・重文・複文

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文の組み立て

文は、《主語ー述語》を基準とした構造の観点から、単文・重文・複文の3種類に分けられます。

この講座では、単文構造の文が書けるようになることを目指しています。
ただし、どうしても重文や複文構造の文を書かざるを得ない場面も出てきます。その際に、少しでもわかりやすい文が書けるように、文の構造についてはある程度理解してほしいと思います。

単文

⑴ 単文
《主語ー述語》の関係が1回だけで成り立っている文。
雨が 降る

これに修飾語がついても主述関係自体は1組だけなので、単文であることに変わりはありません。
「冷たい 雨が 静かに 降る。」

重文

⑵ 重文
主語ー述語》の関係が2回以上あり、それらが並立して対等の関係にある文
雨が 降り、 風が 吹く。

「雨が降る」と「風が吹く」という二つの単文をくっつけて一文にしています。
この二つは対等の関係にあるので、順番を逆にしても成り立ちます。
「風が吹き、雨が降る。」

複文

⑶ 複文
主語ー述語》の関係が2回以上あり、それらが対等の関係ではない文
雨が 降ったので、 服が 濡れた。
イ「父が 昨日 買ってきた 服が 濡れた。」

アは、「雨が降った」と「服が濡れた」という二つの単文をつなげて一文にしています。
重文と同じように見えますが、この二つは対等の関係ではありません。これらは主従の関係にあり、アの場合、「服が濡れた」が〈主節、「雨が降ったので」が〈従属節になります。

この講座では、〈主節〉のことを〈親文〉と呼び、〈従属節〉のことを〈子文〉と呼ぶことにします。

イは、主となる〈親文〉の中に〈子文〉が組み込まれた形の複文です。
〈親文〉の主語「服が」を修飾している部分が〈子文〉になって組み込まれています。

文法的な理解は適度でOK

重文と複文については、文法的な観点からすると解釈や判断が難しいケースが出てきます。
しかし、この講座の主旨はわかりやすい文を書くことです。
これは重文なのか複文なのかというような文法的解釈についてはあまりこだわらずに進めていきます。

ですから、この講座では文が横並びにつながっているものはすべて「くっつき文」と呼びます。

また、修飾語や複文などで複雑になった文をまとめて「ごちゃごちゃ文」と呼ぶことにします。

「くっつき文」や「ごちゃごちゃ文」を切り離して、わかりやすい文にしていくことを目指しましょう。

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この記事を書いた人

1968年生まれ
東京学芸大学大学院修了
函館市私立学校に30年勤務
小論文を中心に指導

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