E-roomへようこそ。このブログでは、学校現場における小論文指導の現実について、学校の先生を対象にゆるーく語っていきます。バックナンバーと合わせてお楽しみください。
小論文という科目は、大学入試のためだけにあるわけじゃない(はず)。でも、実質的にはそういうふうに思われているような。そういう風潮になんとか抵抗していきたいと思っています。学校の先生という立場から、受験だけにとらわれない小論文指導というきわめて困難な道を模索していきたいと思っています。
合格したらいい小論文? 不合格は悪い小論文?
入試結果と小論文
結局、書いた小論文の出来を客観的に評価してくれるのは、入試結果なんですかね。
合格したら、いい小論文。
不合格だったら、その小論文はイマイチだった。
これだとわかりやすいですよね。
でも、実際は、入試の合否を決めるのは小論文だけじゃない。
小論以外の入試科目や、面接、志望理由書、推薦書、調査書、ポートフォリオなどなど。
これらをみて、総合的に判断しているはずです。
だから、小論文が悪くて不合格になったかもしれないし、小論文はよく書けていたけどそれ以外の要素で不合格になったかもしれない。
不合格通知が来た時点では、不合格の理由は判断できない。
もっとも、得点開示を請求すれば、その内訳はわかるでしょう。
けど、得点開示が来るのは次年度の4月とか5月とかだもんね。
その頃にはもう鮮度が落ちているので。
小論文で落ちた?
ただ、不合格を知らされたとき、ほとんどの生徒はこう感じます。
小論文で失敗したな。
こう感じるのも無理のないことです。
だって、誰だって自分の文章には自信を持てないものですから。
合格した場合だって、よくあの小論で合格できたな、なんて感じるのではないでしょうか。
生徒は自分の文章を過小評価するものです。
だから、不合格を知らされたとき、そのいちばんの原因が小論文だと思ってしまう。
自分の小論文のクオリティが低かったので、不合格だったんだと。
そうか、残念だったね。
何で不合格だったと思うかって?
それは何とも言えないな。
入試だからね。
先生は十分に行けると思ってたんだけどな。
え? 小論文が原因じゃないかって?
そんなことないと思うよ。君の文章レベルは少なくとも平均以上だからね。
まあ今回は縁がなかったと思ってあきらめて、次の入試に気持ちを切り替えよう!

不合格の原因が小論文ではないということを証明する根拠がこの時点ではない。
だから、先生の言葉もたんなる慰めに聞こえてしまいます。
先生はなにも間違ったことは言ってないのにね。
生徒は、小論文がうまく書けなかったという強い実感を持っていますから、先生の慰めの言葉には何の説得力もありません。


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