練習問題
1〜5のごちゃごちゃ文を例にならって切り分け、わかりやすい文章を完成させなさい。
(例)強い風が吹いていた日、僕らはアメリカへ旅立った。
→僕らはアメリカへ旅立った。その日は強い風が吹いていた。
1、ケンカばかりしていた僕らはアメリカへ旅立った。
解答例と解説
2、ケンカばかりしていた僕らは優しい母が住んでいるアメリカへ旅立った。
解答例と解説
3、ケンカばかりしていた僕らは優しい母が住んでいるアメリカへ二人で相談して買ったお土産を持って旅立った。
解答例と解説
4、海外から300万人もの観客が来日した東京オリンピックが終わったとき、いたる所で騒音と悪臭をまき散らした交通渋滞はすぐに解消された。
解答例と解説
解答例と解説
《解答例》
1
《解答例》
僕らはアメリカへ旅立った。僕らはいつもケンカばかりしていた。
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《解説》
(例)にならって、主要文を段落の先頭に置きます。次に、それ以外の内容を主要文の後に配置します。
この文だけでは僕らがケンカしていたこととアメリカへ旅立ったことの関連性が不明です。そのため、接続詞などを用いずに、二つの単文を並べるだけにとどめました。
2
《解答例》
僕らはアメリカへ旅立った。アメリカに住んでいる母に会うために。母はいつもケンカばかりしている僕らにとても優しかった。
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《解説》
主要文を先頭に置くというのがいちばんの目的です。
よって「僕らはアメリカへ旅立った。僕らはいつもケンカばかりしていた。アメリカには優しい母が住んでいた。」のように文を無機質に並べただけでも目的は達成されています。
しかしこれだと意図は伝わってもさすがに味気ないかもしれません。1の文に比べて情報が増えたので、ケンカばかりの兄弟と優しい母の関係性を表現できるように、原文の意味が大きく変わらない程度に言葉を補足してみました。
3
《解答例》
僕らはアメリカへ旅立った。アメリカに住んでいる優しい母に会うために。僕らはいつもケンカばかりしていたが、このときは仲良く相談して母へのお土産を買った。
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《解説》
2と同じように、主要文とそれ以外の情報とをうまく関連させる工夫をしてみました。ケンカばかりしている兄弟が、大好きな母へ渡すお土産を、この時ばかりは楽しそうに選んでいるというイメージです。
4
《解答例》
東京オリンピックが終わって、交通渋滞はすぐに解消された。オリンピック期間中は海外から300万人もの観客が来日した。それらの人々の移動により、いたる所で騒音と悪臭をまき散らしていたのだった。
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《解説》
「東京オリンピック」「交通渋滞」といった主要語の前に、それを修飾する言葉が長々と置かれています。
日本語の場合はこのように名詞節が前置されますから、名詞節が長くなるとどれが主要語なのかわかりにくいという現象が起こります。
主要語を掘り起こして、主要文を完成させましょう。
ここでは「東京オリンピックが終わったとき、交通渋滞はすぐに解消された。」が主要文になります。単文にはなりませんでしたが、これ以上は削れないので仕方がありません。
これを段落の最初に置きます。
主要文以外の情報は、できるだけ単文の形で配置します。意味のつながりがわかりにくければ、多少の言葉を補足しましょう。
今回は「たくさんの人間があちこちと移動したため」という内容を補足してみました。

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