以下の文を、短い文に切り分け、適切な順序に並び替えなさい。
問題1
なぜ貴大学を志望したかというと、中学3年生の総合学習で環境問題に取り組んだときからSDGsに興味を持つようになり、市が主催するボランティア活動に参加したことがきっかけで自然環境と経済の関係に関心を抱くようになりましたが、もっと深く学びたいと思い環境政策学科を志望することにしました。
問題2
このかぜ薬は最近発売された新商品だが、ものすごくよく効くとSNSでも評判で、有名芸能人がCMをしていることも関係しているのかもしれないが、とにかく近くのドラッグストアで買えるので一度試した方がいいと思う。
問題3
私は電車に乗って山本くんのお店に行ったが、その日はたまたま定休日であり、仕方がないので一旦家に帰ろうと駅に向かって歩いていたが、突然激しい雨が降ってきて、あわてて近くの喫茶店に駆けこむと、そこに山本くんがいて、美味しそうにコーヒーを飲んでいた。
解答例と解説
問題1
《解答例》
《解説》
問題文を切り分けると次のようになりました。
1. 中学3年生の総合学習で環境問題に取り組みました。
2. その時からSDGsに興味を持つようになりました。
3. 市が主催するボランティア活動に参加しました。
4. そのことがきっかけで自然環境と経済の関係に関心を抱くようになりました。
5. もっと深く学びたいと思いようになりました。
6. そこで環境資源学科を志望することにしました。
これは大学の志望理由ですから、「どんなことに関心を持っているか」や、「大学でどんなことを学びたいか」ということをしっかりと伝えるべきです。
その観点で考えると、最も重要な文は、4「自然環境と経済の関係に関心を抱くようになりました。」です。
この文を一番最初に置きましょう。
その次に書くべきなのは、理由と具体的な説明です。
順番はどちらが先でもかまいません。
ここでは中3時のエピソードはカットし、高1のボランティアの方のみを使いました。
中3時の話は、今現在の考えを伝えるには距離が遠すぎるからです。
高1のボランティアの内容を少し具体的なものに直しました。
今後の学びについては、志望理由書の最も大事な内容なので、さらに具体的に書き加えました。
大学のパンフレットなどを熟読して、可能な限り具体的で詳しい説明を心がけましょう。
問題2
《解答例》
《解説》
問題文を、読点があるところで切り分けてみます。
- このかぜ薬は最近発売された新商品だ
- ものすごくよく効くとSNSでも評判だ
- 有名芸能人がCMをしていることも関係しているのかもしれない
- 近くのドラッグストアで買える
- 一度試した方がいいと思う
この中でいちばん重要なのは、5の「一度試した方がいい」だと思われます。
よって、これをいちばん最初に書きます。
主語を添えてあげて段落のいちばん目立つところにおきます。
「このかぜ薬は一度試した方がいい。」
これで筆者の言いたいことが明確になりました。
次に、試した方がいい理由を配置します。
理由として書かれているのは次の4つ。「最近発売された」「ものすごくよく効くと評判だ」「有名芸能人がCMをしている」「近くのドラッグストアでも買える」
これに関しても、重要そうなものから先に書くのがいいでしょう。どれが重要な理由かについては、ここに書かれている以外の内容とも関連するので一概には言えませんが、問題文の中だけで判断するのなら、「よく効く」が上位にくると思われます。
なお、重要な理由を一つに絞って強調したいのであれば、それ以外の理由は書かないほうがわかりやすい。例えば「有名芸能人がCMをしている」という情報はどうしても必要なものかどうか。余分なものは省いて、その分「よく効く」の内容を詳しく説明した方が効果的です。例えば「一晩で熱が下がる」とか「頭痛がなくなった」などの具体的な情報を加えると論点がはっきりします。
問題3
《解答例》
問題1のときと同じように、まずは読点のあるところで切り分けてみます。
- 私は電車に乗って山本くんのお店に行った。
- その日はたまたま定休日だった。
- 仕方がないので一旦家に帰ろうと駅に向かって歩いた。
- 突然激しい雨が降ってきた。
- あわてて近くの喫茶店に駆けんだ。
- そこに山本くんがいた。
- 彼はとても美味しそうにコーヒーを飲んでいた。
一文の中に、7つもの情報が並べられています。
しかし、7つもの内容をすべてつなげてひと息に説明しなければならないような必然的な理由はありません。
かといって、これを7つの単文に切り分け、それをただ並べるというだけではさすがに味気のない文章になってしまいます。
そこで、解答例を作成するにあたり、いくつかの文は重文でつなぎ、それによってリズムを整えるという作戦を取ることにしました。
しかし、内容的につながりが強いものを選んでつないだだけですから、これだといろんな正解の組み合わせが出てきてしまいます。
例えば、解答例では「私は電車に乗って山本くんのお店に行った。しかしその日はたまたま定休日だった。」という箇所は2文に分けていますが、ここはどうしても2つに分けなければならないということではありません。
「私は電車に乗って山本くんのお店に行ったが、その日はたまたま定休日だった。」とつなげて書いても大きな問題はなさそうです。
こういう文章を書き直す場合、大事にしたいのは「一文が長くならないようにすること」です。
さしあたって、「つなげていいのは2文まで」というようなルールにするのがいいかもしれません。
単文が3つ以上つながってしまうと、さすがに読みにくい長文になってしまいますので。
ところで、この文章には重大な欠陥があります。
それはこの文章には中心となる核がないということです。
文章の核になる部分がないので、いくつものパーツがどこまでもダラダラと並ぶだけという文章になっているわけです。
ですから、これを書き直すにしても、文章の中心点というよりどころがない以上、完成度の高い解答例を示すことはなかなか難しいということになります。
しかし、この文章の最後がもしも次のようだったとしたらどうでしょう。
「‥そこに山本くんがいて、美味しそうにコーヒーを飲んでいて、それをみていたら無性に腹が立った。」
これなら事情がずいぶんと変わってきます、
「腹が立った」という感情がこの文章の核になりますから、ここにすべてが収斂していくように、それまでの出来事をまとめていけばよいということになります。
そうすると、まとめ方の方向性は以下のようになるでしょう。
わざわざ電車に乗って行ったのに、運悪くその日は定休日で、そのうえ雨にまで降られてしまい、散々な目にあったとイライラしていたら、意外なことに偶然入った喫茶店に山本くんがいて、彼がのんきにコーヒーなんか飲んでいたものだから、それを見てなんだか怒りがわいてきた。
こういうニュアンスが伝わるように、言葉を補充したり、文のまとめ方を工夫したりということになるでしょう。
とにかく、どんな文章においても、その文章の核になる内容が必要だということです。

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